落石の発生には「素因」と「誘因」の両方が深く関与しています。
「素因」とは斜面が持つ固有の性質である地形と地質を指します。また、斜面の勾配・形状と地表面の状態は落石の運動を支配します。
「誘因」とは落石発生の直接の引き金である降雨・積雪・凍結融解・風・地震などの自然現象や人為的誘導等が上げられます。
・降雨:融雪、表流水、浸透水による地山の脆弱性と侵食
・積雪:滑動による侵食
・凍結融解:水の凍結による岩目の拡大・剥離及び土中水の移動による地山地層の脆弱化
・強風:樹木を介しての躍動による岩目の剥離及び転石の不安定化
・地震:浮石と斜面の不安定化
・植生:樹根の育成による岩目の拡大、剥離
・人為:踏み荒らしによる転石の不安定化、工作物の設置による斜面の不安定化、用水路の溢水・漏水と排水設備の流末処理不備による地山の脆弱促進など
落石の発生形態は、大まかに次の3種類に分類されます。
1. 抜け落ち(転石)型落石
2. 剥離(浮石)型落石
3. その他
落石の運動形態は、大まかに次の3種類に分類されます。
1. すべり運動
2. ころがり運動
3. 飛跳運動
1. 落石高が大きくなると跳躍量が大きくなる。
2. 凹凸の少ない斜面では跳躍量が2mを超えることは少ないが、斜面上に局部的な突起のある場合や凹凸の多い斜面では跳躍量が2mになることがあり、
落石高の大きい場合には4〜5mに達することもあるりますが総落石数の80%〜85%は2m以下の跳躍量となっている事が報告されています。
落石対策工は、落石の発生源の対策として行う「落石予防工」(落石をとめる)と、発生した落石を阻止する「落石防護工」(落石を途中で止める)の2種類に分けられます。
私たち「ハイジュールネット工法研究会」では、上記の「落石防護工」として効果が高く実績のあるハイジュールネット工法(高エネルギー吸収型)を研究し、落石対策として世の中に広めています。
※このページの説明は日本道路協会発行の「落石対策便覧」より引用しています。