ハイジュ−ルネットQ&A

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高エネルギー吸収型落石防止柵(HJN)

 

Q1:審査証明取得

A1:@平成21年1月22日付で、建設技術審査証明を取得しました。
建設機械化技術:第0801号(社団法人 日本建設機械化協会)
技術名称:ハイジュールネット(高エネルギー吸収型落石防止柵)
ハイジュールネットの基本技術は、スイスのイソフェール社がISO―STOPとして開発したものであり、審査証明取得に関しては、スイス連邦森林降雪植栽研究所自然災害部(WSL)で承認された工法を、日本国内向けに合わせた条件(支柱間隔、有効柵高等)で試験を行い、所定の落石エネルギーに対する捕捉性能の評価を得ました。

A平成25年12月11日付で、建設技術審査証明を取得しました(土砂対応防止柵に対して一部変更)。
建設機械化技術:第0801号(一般社団法人 日本建設機械施工協会)
技術名称:ハイジュールネット(高エネルギー吸収型落石・土砂対応防止柵)
審査証明取得に関しては、A2に記載の国内と海外での実証実験結果を併せて審査を行うことにより、200kN/uまでの崩壊土砂に対する土砂用ハイジュールネットの捕捉性能の評価を得ました。

平成30年12月に審査証明の更新を行いました。

 

Q2:特殊な捕捉性能試験

A2:落下エネルギーに対する試験に対しては、支柱間の中央部への落下試験を行い、所定の捕捉性能が確認されましたが、他に、特殊な試験も併せて行い審査証明を取得しました。
@ケーブルネットの補修後の試験 → ネットを人為的に切断し、補修用ワイヤーロープをワイヤグリップで固定した後の落下試験結果は、問題なく捕捉出来ました。
A端部スパンの試験 → 端部スパンへの落下試験結果は、問題なく捕捉出来ました。
B支柱直撃の試験 → 支柱に直撃の落下試験結果は、支柱の変形とせん断ピン切断効果により、落石がネットに転がって捕捉出来ました。

 

Q3:対応可能な落石エネルギー

A3:落石エネルギーが、250・500・1000・1500・2000・3000kJの6種類に対する型式が選べます。

 

Q4:柵の有効高さ

A4:柵の有効高さは、落石の跳躍高さに対象となる落石直径の半径を考慮して、更に柵設置角度で補正して算出します。有効柵高は3〜6mまで、1.0mピッチで選べます。

 

Q5:柵の設置位置

A5:柵の設置位置は、原則として、A1のWLSで定める落石捕捉時の制動距離(突出量)を考慮して、5m(250kJ)〜12m(3000kJ)以上離した箇所とします。また、設置延長については対象となる落石発生源から、左右に22.5°のラインを落下の影響範囲として設定します。

Q6:支柱の間隔

A6:支柱の間隔は、10mを標準とします。設計条件や現場状況から難しいと判断できる場合は、最大10m〜最小5m(2000kJ、3000kJの最小間隔は6m)の範囲で変更できます。

 

Q7:アンカー(土砂防止柵HJDの場合は、安全率2.0以外は同じ)

A7:アンカーの部位は、基礎アンカー(ベースプレート固定)、保持ケーブルアンカー、サイドケーブルアンカーですが、アンカー体はPC鋼棒B種1号(例として、ゲビンデスターブD32)を使用します。 各部位のアンカー長は、グラウンドアンカーの考え方に準拠して行い、アンカーの地盤に対する極限周面摩擦抵抗(安全率1.5)、アンカー体とグラウトの許容付着応力及び鋼棒強度から算出します。 また、ボーリングについては、基本的に軽量型削孔機を使用して、削孔径φ90mm、二重管削孔とします。

 

Q8:施工方法(土砂防止柵HJDの場合も同じ)

A8:施工方法については、クレーン施工とモノレール+ウィンチ施工の場合があります。後者については、各部材の重量が比較的軽量であり、クレーンが届かない場合はモノレールによる運搬とウィンチによる組立が可能です。

 

Q9:材料の防錆処理(土砂防止柵HJDの場合も同じ)

A9:本工法で使用される部材の内、ロープ及び金網は、高耐久性の亜鉛アルミ合金メッキの材料を使用しています。
@亜鉛アルミ合金メッキ → ワイヤーロープ、ブレーキエレメント、ケーブルネット、ひし形金網
A溶融亜鉛メッキ → 支柱、ベースプレート、ワイヤグリップ、シャックル、リンク
Bエポキシ樹脂塗装 → アンカー体(PC鋼棒B種1号)、二股リンク

 

Q10:維持管理(土砂防止柵HJDの場合も同じ)

A10:落石の捕捉後の点検項目や判定基準等に関しましては、「施工マニュアル」に記載されていますが、概要は以下の通りです。
@点検 → 落石の有無、支柱及びベースプレートの変位・設置角度、ヤイワーロープの損傷、ブレーキエレメントの作動量(作動量が25cm以上の場合は交換)、アンカー頭部変位、ケーブルネットの損傷、ワイヤグリップ等の変形、各部材の腐食
A落石撤去 → 小割除去、クレーン除去、ケーブルネット切断除去等

高エネルギー吸収型土砂防止柵(HJD)

※以下に記載のないQ&Aは、高エネルギー吸収型落石防止柵(HJN)との共通事項でもあるので、そちらを参照してください。

 

Q1:審査証明取得

A1:平成25年12月11日付で、建設技術審査証明を取得しました(土砂対応防止柵に対して一部変更)。
建設機械化技術:第0801号(一般社団法人 日本建設機械施工協会)
技術名称:ハイジュールネット(高エネルギー吸収型落石・土砂対応防止柵)
審査証明取得に関しては、A2に記載の国内と海外での実証実験結果を併せて審査を行うことにより、200kN/uまでの崩壊土砂に対する土砂用ハイジュールネットの捕捉性能の評価を得ました。

 

Q2:実証実験

A2:平成24年4月〜11月に奈良県に於いて実証実験を行い(公開実験日は平成24年9月19日)、設計衝撃力200kN/uに対する土砂の捕捉が確認されました。
また、イソフェール社(ハイジュールネットの開発会社)も、2012年7月に海外で崩壊土砂実証実験を実施して、スイスの建築物保護方法ガイドライン式により、200kN/uを超える衝撃力が確認されました。

 

Q3:対応可能な衝撃力

A3:衝撃力につきましては、原則として国土交通省告示332号(平成13年3月28日)に準拠して算出を行い、100・150・200kN/uの3種類の衝撃力に対する型式が選べます。

 

Q4:堆積土砂の土圧

A4:試行クサビ式により堆積した土砂の土圧計算を算出しますが、支柱が鉛直で堆積地表面が水平の場合の計算結果は、A3の告示332号による式と同じ値となります。

Q5:柵の有効高さ

A5:想定される崩壊土砂量については、全国の斜面災害結果(4,671件)での斜面高さ毎に区分した崩壊土量(累計度数90%となる値)を参考として決めますが、崩壊土量(V)と崩壊幅(W)より単位崩壊土量(V/W)が求まり、これを満たすように柵の有効高さを決めます。有効柵高は3〜6mまで、0.5mピッチで選べます。
尚、高さ毎の崩壊土量と崩壊幅につきましては、発注者で定めている場合もあります。

Q6:柵の設置位置

A6:柵の設置位置は、原則として、土砂捕捉時のネット突出量及びすり抜け等を考慮して、保全対象物から3〜5m以上離した箇所とします。また、設置延長についてはA5の崩壊幅以上で、保全対象施設を基準に土砂の拡散を考慮して30°のラインを影響範囲として設定します。

Q7:支柱の間隔

A7:支柱の間隔は、土砂の衝撃力や堆積土圧によるロープに作用する張力を算出して決めますが、5〜8mまでとなります。

高エネルギー吸収型落雪防止柵

※以下に記載のないQ&Aは、高エネルギー吸収型落石防止柵(HJN)との共通事項でもあるので、そちらを参照してください。

 

Q1:積雪に対して

A1:積雪に関しては、山形県での実物大実験(最大積雪2.5m)の結果から、積雪対応型の検討を行います。
@積雪条件に対して、支柱間隔及びワイヤーロープ張力等の検討
Aブレーキエレメントに対する雪荷重補助金具の取り付け検討
B支柱の背面に補助支柱の設置
Cひし形金網をφ2.6×50から、φ3.2×50に強化